[00:12.19]フクロウの鳴き声は「死」の警報で
[00:16.07]闇が傷口を開いて満月を出す
[00:19.82]信者から不信心者 神父達まで
[00:23.69]喪服を着て風の声に耳をすました
[00:27.23]
[00:28.63]今宵はモラルの葬式だ
[00:41.33]Pater Noster
[00:43.30]流れ星は空の涙
[00:51.01]樹々の鳴咽が森に響く
[00:59.80]湖は悲哀を 水面を渡る風に伝え
[01:09.55]その風が皆を葬儀場に呼んだ
[01:19.96]
[01:28.17]今宵はモラルの葬式だ
[01:30.71]
[01:37.65]前の方に愛が座り その隣には
[01:41.50]哲学がタバコをくわえ思いにふける
[01:45.40]プライドと献身はその真後ろで
[01:49.25]やけに深刻な顔して話し込んでいる
[01:53.15]
[01:54.10]誰もが動揺を隠せない
[02:06.81]Pater Noster
[02:08.85]知恵に手を引かれたまだ幼い無垢が
[02:21.53]棺の中に白いバラを投げ込むと
[02:32.20]理性が席を立って 黒いベールをまくり
[02:38.07]式の最後に皆の前でゆっくりと語り始めた
[02:49.45]
[02:58.33]「息子との突然の別れに私は今
[03:05.83]心を乱している
[03:13.30]凛とした彼の声 まっすぐなまなざしを
[03:20.81]いつまでも忘れない
[03:26.11]
[03:26.99]今でもきっと灯台の様に
[03:30.62]私達を照らしている
[03:34.34]迷った時 はぐれた時 道が見えない時
[03:41.81]善と悪の節目にそっと
[03:45.74]あなたの心に 彼は生き続ける」
[03:55.00]Pater Noster
[03:56.96]同情が激しくうなずき 拍手が起こり
[04:09.52]真実が理性の耳元で言った
[04:19.49]「私も息子がいたの
[04:22.56]希望がいなくなっても彼は今でも
[04:26.94]皆の中で生きている」
[04:44.84]
[05:00.20]フクロウが鳴き止んで飛び立った頃
[05:03.95]朝もやをかきわけながら太陽が出た